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【新シリーズ】『思想文学論』|全15巻企画
「古典の物語から、人間の葛藤と選択へ。」
古典は、人格運動の豊富な観察記録である。
古典を読み、人間を理解し、自分自身を生きる。
神話、哲学、宗教、文学。古典を人間精神の観察記録として読み、そこから見いだした構造を、
私たちの生活と社会へつなげる。
中村聡一のKindle書籍は、「人格形成の基礎づけ」「政治学」「思想文学論」の3シリーズで展開しています。
人格形成の基礎づけでは、人間精神の働きを探る。
政治学では、その理解から社会と政治を問い直す。
思想文学論では、古典の場面に入り、人間の葛藤と選択を味わう。
思想文学論シリーズ最新刊
第2巻『オデュセイア』故郷へ帰る、その先へ

トロイアを陥れた男が、帰れない。
待つ者にも、二十年の人生があった。
十年の戦争を終えたオデュッセウスを待っていたのは、さらに十年に及ぶ漂浪でした。木馬の策で勝利をもたらした英雄も、海の上では、故郷を恋い、仲間を失い、神々の怒りにさらされる一人の人間です。
帰ることを忘れさせる食べ物。仲間を食らうキュクロプス。人を豚に変えるキルケ。すべてを知ると誘うセイレンの歌。そして、不死の生を差し出すカリュプソ――。
それでも彼は、限りある命を生きる者として、妻と息子のいる家へ帰ることを望みます。
一方、イタケでは、ペネロペが家を守っていました。昼に織った布を夜に解き、再婚を迫る求婚者たちに抗いながら、帰らぬ夫を待ち続ける。父の記憶を持たない息子テレマコスは、その消息を求めて、自ら旅へ踏み出します。
豚飼いエウマイオス、王女ナウシカア、乳母エウリュクレイア、老犬アルゴス、老いた父ラエルテス。英雄の旅は、それぞれの場所で生きる者たちの時間と交わっていきます。
しかし、ようやく帰り着いた故郷でも、戦いは終わりません。
家を取り戻した者の勝利は、家族を失った者の悲しみとなり、次の報復を呼び起こします。
帰るとは、どういうことなのか。
失われた歳月を経て、人は再び、ともに生きられるのか。
復讐の連鎖は、どこで止まるのか。
本書は、ホメロス『オデュッセイア』の出来事と人物の言葉を活かし、背景や心理描写を織り込みながら、全六部・二十四章、約十二万字の物語として再構成した作品です。古典を初めて読む方にも、その世界と人物たちの葛藤が伝わるように描きました。巻末には、原作の主な参照箇所も収録しています。
中村聡一の思想文学論シリーズ第2巻。
海を渡る者と、家で待つ者。人間と神々、生者と死者。
「生きる」ということの連鎖が織りなす、帰還の物語です。
古典に初めて触れる高校生・大学生から、学び直しを楽しむ大人まで。国際ビジネスに携わる方にも、西洋文学の背景にある物語と人間観に親しむ、リベラルアーツの一冊としてお読みいただけます。
政治学シリーズ 最新刊
『なぜ、戦争は起こるのか』

戦争は、なぜ起きるのか。そして、なぜ始めた者の予想を超えて展開するのか。
ホメロスの『イーリアス』を読む大将軍のもとへ、伝令が到着する。恐怖、報復、正義、生活上の必要。異なる思いが絡み合い、一方の防衛が他方の脅威となっている。大将軍は五将を招集し、地図を広げる。
「この地図に、さらに書き加えなければならぬ。」
『中村聡一の政治学シリーズ』第4巻は、古典を人間精神の観察記録として読み、戦争と生きることを「四軸・五徳構造」から問い直す一冊です。
生活、快苦、美醜、意味/目的という四軸は、互いに循環し、身体と感情へ働きかけ、認識と選択を動かします。その反応は他者へ渡り、制度や共同体へ広がり、再び個人へ返ってきます。知恵・勇気・節制・正義・愛という五徳は、そのなかで、狭まった判断を確かめ直し、選び直すための復元機能として働きます。
本巻が繰り返し立ち戻るのは、次の命題です。
戦争は、因果決定論では理解しえない。四軸・五徳構造が、個人の内部と社会的な広がりのなかで働く、複雑系事象として捉えなければならない。
アキレウスの怒り、ヘクトールと家族の別れ、プリアモスの願い。ギリシャ悲劇に描かれる正義の衝突、トゥキュディデスが記録した民会の判断と遠征の破局。さらに、聖書、コーラン、アリストテレス、セネカ、アウグスティヌス、ダンテ、モンテーニュ、シェイクスピア、トルストイ、カント、マルクスへ。大将軍と五将は、具体的な場面を観察し、判断の地図に修正を加えながら進みます。
古典から構造を見いだし、その構造を携えて、再び古典へ戻る。それぞれの作品に描かれた葛藤を、一つの説明に収めず読み重ねていきます。
人間は、葛藤します。愛する者を守る願いが加害へ転じ、正義への確信が他者の言葉を閉ざすこともあります。それでも、固定した反応をほどき、別の応答を開く可能性は残されています。
全8部・28章を読み進めるうちに、戦争を問うための軍議は、読者自身の内なる葛藤を生きるための布陣となっていきます。
社会を動かす人間を、自分自身を含めて見つめ直す。戦争から平和へ、そして「この生をどう引き受けるか」へと続く思索の旅です。
巻末には、古典へ戻るための章別参照文献を収録しています。
国際ビジネスマンの必須教養としても、大いに役立つ一冊です。
充実の3シリーズ
1.人格形成の基礎づけ|全15巻 徳・愛・正義・自由・幸福から、自分自身を理解する。
古典を通して、人間精神と人格形成の問題を探究する。
2.中村聡一の政治学シリーズ|全15巻企画 人間精神の理解から、社会と政治を問い直す。
民主制・正義・国家・人格自由を、人間精神の理解から問い直す。
3.中村聡一の思想文学論シリーズ|全15巻企画 古典の物語を味わい、人間の葛藤と選択を読む。